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源流の豊田織機をTOBで非上場化、豊田章男会長も個人で出資、トヨタグループの再編が始動

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豊田佐吉が設立した豊田自動織機。トヨタ自動車も同社から分離した。トヨタの豊田章男会長はトヨタ不動産会長でもある。

「株主として非公開化は残念だ」

ある男性株主はそう話したうえで「なぜTOB(株式公開買い付け)価格がここまで低いのか」と疑問をぶつけた。別の株主は「非公開化の意義はわかるが、少数株主への配慮が不足しているのでは」と批判した。

6月10日に愛知県高浜市豊田町で開かれた豊田自動織機(以下、豊田織機)の定時株主総会は、1週間前に発表されたトヨタ自動車(以下、トヨタ)などのTOBによる非上場化案に対する株主の抗議の声が相次いだ。

豊田織機の伊藤浩一社長は「決して株主様をないがしろにしているというわけではない。中長期の視点で成長していけるようにという選択だ」と理解を求めた。

総会の所要時間は113分と過去最長、出席者は昨年より100人弱増えて351人に上った。質問件数も過去最多の16人24件で、注目度の高さをうかがわせた。

トヨタの豊田章男会長が個人で出資

非公開化に向けてトヨタが7060億円とトヨタ不動産(トヨタ不)が1765億円を出資して設立する持ち株会社が特別目的会社(SPC)を通じて豊田織機株を1株1万6300円で買い付ける。SPCは3メガバンクから借り入れた計2.8兆円を合わせてトヨタ保有分以外の豊田織機の全株取得を目指す。

TOBが成立すれば豊田織機は上場廃止となる。後に豊田織機がトヨタから自己株買いを行うことで豊田織機をSPCの完全子会社にする。トヨタからの買い取りも含む株式取得資金は総額4.7兆円に上る計画だ。

TOB後にはトヨタ会長の豊田章男氏も持ち株会社に10億円を出資する。トヨタの出資は議決権を持たない優先株とするため、持ち株会社の議決権はトヨタ不が99.44%、豊田氏が0.56%を保有することになる。

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