
ドン・キホーテの運営会社、PPIHの次期社長に内定した森屋秀樹氏。2000年入社で現在47歳。入社理由は「迎合しない会社だったから」と振り返った(撮影:風間仁一郎)
ドン・キホーテを傘下に持つ、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の勢いが止まらない。前2024年6月期には売上高2兆円を突破。今期の営業利益率は7%超と過去最高を更新する見込みで、競合と比べても高い収益力に特長を持つ。
そんなPPIHを2019年から率いた社外出身の吉田直樹社長(60)が9月に退任する。後任に就くのは生え抜きの森屋秀樹専務執行役員(47)だ。
「上司に嫌われてきた」。そう話す森屋氏とはどういう人物なのか。右肩上がりの成長が続くPPIHにとって最大の課題は何なのか。新社長就任の内定後、森屋氏が初めてメディアのインタビューに応じた。
言いたいことを正直に言うタイプ
――これまで物流、リスク管理など多くの間接部門で責任者を務めてきました。
いろいろ経験してきたとはいっても、行くところ行くところで上司に嫌われ、転々としてきた、というのが正直なところだ。やる意味も分からず、言われたことにただ従うというのはできない性分で、それが災いしたのだと思う。
――上司に嫌われてきた?
言いたいことは正直に言うタイプで、誰にも迎合してこなかった。当然、面白くないと思う人間も多かっただろう。
ドンキに新卒で入社したのも、「迎合しない会社」だったからだ。
当時は就職氷河期まっただ中。大企業も潰れ、銀行でさえ大合併が進んでいた時代だった。ネームバリューではなく、20年以上は成長できるような会社を探した。いくつか内定をいただいたが、卒業前に旅行で全国を回っている間、気がついたら内定承諾の期限が過ぎ、残ったのはドンキを含めて3社だった。
当時、「ドンキに就職する」と言うと、周囲の友人から「レストラン?」「ハンバーグ屋さん?」と言われた。それでもドンキを選んだのは、社会に迎合せず、とにかくひたむきにお客のことだけを考えている安田(隆夫氏、現・創業会長)の姿勢に胸打たれたからだった。
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